マサチューセッツのローカル暮らし

アメリカ人旦那と結婚し、マサチューセッツに引っ越しました。アラサー女のアメリカローカル暮らしの日々の生活を気ままに綴っていきます。

アーミッシュとは?ペンシルバニア州のランカスターに行ってきた①

アーミッシュって一体なに??

 

皆さん、アーミッシュ(Amish)ってご存知ですか?

 

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アーミッシュとは、ドイツ系移民の宗教集団(クリスチャン系)で

現代テクノロジーを使わず、今もなお移民当時の300年前と同じような生活を営んでいる人たちのこと。

日本でいう『ていねいな暮らし』の元祖?のようなイメージでしょうか。

 

現在はアメリカのペンシルバニア州やオハイオ州、カナダのオンタリオ州に多く暮らしていて、人口は34万人ほどいるそう。

 

実は私はアメリカに来るまで『アーミッシュ』は単語さえまっっっったく知らず。

日本ではあまり広く知られていないですよね?

去年たまたま見た映画『Sex Drive』にアーミッシュが登場するのをきっかけに知りました。

 


Sex Drive

(アーミッシュとは全然関係ない内容の映画だけどおもしろいので興味のある人はぜひ。右から2番目の方がアーミッシュだよ。)

 

 

アーミッシュは農耕・牧畜でほぼ自給自足の生活、

移動の際は車は使わずバギーと呼ばれる馬車を利用し、

服装はシンプル・控えめ、女性はお化粧なし。

(地域によるみたいですが)電気を使わない、パソコン・スマホなし、保険に入るのNGとか

調べれば調べるほど、どうやって今の現代社会で暮らしをしているのか興味は深まるばかり…

 

 

 

で、今年の独立記念日のお休みを利用して

アーミッシュヴィレッジのあるペンシルバニア州のランカスターに行くことに。

 

事前情報は上記のライフスタイルに加えて

パンが美味しい・キルトが有名ってことくらいでしたが

結論から言って、新たな世界と学びがあり有意義で大満足の旅行だったので、

私の学んだアーミッシュの気になるところまとめとランカスターのおすすめスポットをご紹介したいと思います。

 

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どこもかしこもこんな牧歌的な緑が広がる、とってもピースフルで美しい景色に癒されること間違いなし!まじおすすめランカスター!

 

 

 

わたしが驚いたアーミッシュのライフスタイル

 

その1.バギーの存在

 

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道路を走るバギー

 

現代テクノロジーを使わないアーミッシュの移動手段はバギーと呼ばれる馬車

もしくはスクーターと呼ばれるペダルのない自転車(キックボードみたいな感じ)です。

 

このバギー、普通に道路沿いを車と共に走っています。

旅行前までは

 

『ちょっとアトラクション的な感じでたまに乗ってるだけなんじゃないの?』

 

なんて思っていましたが、ごくごく一般的に乗られているようで、ランカスターエリアに入った瞬間から結構な割合で見かけました。

しかもバギーにはちゃんとウィンカーまでついてるんです!

 

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ウィンカー&停止ランプ付き

 

道路標識にもバギー。かわいい。

 

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バギーの標識

大きな国道でもバギーが走っていたし

畑の広がる田舎道にももちろんいたし、まるで映画のワンシーンのような景色でした。

マサチューセッツに戻る道中もついついバギーの姿を探してしまうくらい、バギーが生活の一部に溶け込んでいるランカスターの街。

 

アーミッシュは、自分たち以外の一般アメリカ人のことを”English"と呼ぶらしく

ランカスターの街はAmishとEnglishの人々が混じって暮らしており

アーミッシュは現代テクノロジーと共存して生活しているんです。

 

ちなみに、車に一切乗っていけないっていうわけではなく、

他の人が運転する車に同乗したり、バスに乗って仕事に行ったりというのはOKみたい。

(飛行機はテクノロジーすぎるので乗ってはいけないみたいです。これもびっくり!)

 

 

その2.学校

 

アーミッシュはアメリカの義務教育制度とは全く別の、アメリカ政府も認めている独自の学校制度があり

日本でいう1年生~中学2年生までがひとつのクラスで一緒に学びます。

 

…えぇぇぇーーーどうやって?!

 

アーミッシュの学校区?地域分けはだいたい20~40家族でひとつになっているらしく

そのエリアに学校がひとつあるだけで、各学校1クラスのみ。

アーミッシュの未婚女性が先生で、その一人の先生が全員を教えるんですって。

(このルールもなぜなんだろう??)

そして、中学2年生で教育は終了、高校・大学にはほとんど行かないらしいです。

アーミッシュの生活に高校・大学レベルの高等教育が必要ないから、というのが理由みたい。

 

学校では算数、英語、ドイツ語を学ぶみたい。

アーミッシュはペンシルバニアダッチと呼ばれるドイツ語に似た言語を話していて、家でのコミュニケーションはほぼこのペンシルバニアダッチなんだそう。

近隣の”English"とのコミュニケーションや仕事のために英語を勉強するんだとか。

 

学校の外観はかなり質素な平屋戸建てのような雰囲気で、

広い校庭などはもちろんなく、お家のお庭にシーソーが置いてあるようなレベルでした。

 

外から学校を見ただけなので、詳しい学校生活はわかりませんが

日本の教育ともアメリカの教育とも全く違うスタイルすぎて日々の時間割やら授業内容やら興味深々…

(観光客向けのヴィレッジツアーで中の様子が見れるツアーもあるかも)

 

 

その3.服装

 

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アーミッシュは独自の服装があり、みーんな同じ格好。

男性は無地の超シンプルな襟付きシャツに黒のズボン+黒サスペンダー、そしてカンカン帽みたいな帽子。

女性はほぼマキシ丈の無地の超シンプルなワンピースにボネットと呼ばれるヘアドレス的なもの。

一目見ただけでアーミッシュとすぐわかります。短パン・Tシャツは着ないのです!

 

 

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この服装、ワンピースの丈はくるぶし上、とかエプロンのリボンの幅が何インチ、とか

それぞれめちゃくちゃ厳しい規律があるようです。

 

特徴的な男性の髭にも決まりがあって、口ひげは一切NG。

あごからもみあげまで繋がった髭で、口ひげはなくて一般的にはあまり見ないスタイルです。

あと髪の毛もまっすぐに切りそろえなきゃいけない決まりもあるみたい。

 

滞在中にアーミッシュの洋服屋さんとか行ってみたいな~なんて思っていたのですが

自給自足のアーミッシュ。

代々受け継がれる型紙とかを使ってお洋服も自分で作っちゃうそうです。なんとまぁ!

ということで洋服屋さんでの買い物はできませんでした。

 

 

アーミッシュとして暮らすって??

 

と、ざっくり紹介するだけで私の生活とは全く違うアーミッシュのライフスタイル。

 

実際に生活しているアーミッシュを目の当たりにしてふと疑問に思いました。

みんながみんなアーミッシュとして暮らしたい人たちばかりなんだろうか?

 

特に若い世代の子たち!

今回の滞在中、お年寄りよりも若い子たちを目にすることが多かったのですが

例えばネットしたりSNSに興味持ったり

友達とショッピングモールで買い物したり、はたまた海外旅行したり

やりたいこといろいろあるんじゃないのかな、と素朴な疑問をもちました。

 

 

アーミッシュは14~16歳の期間にラムスプリンガ(Rumspringa)と呼ばれるイベントがあって(節目としては成人式的なポジションかな?)

期間中、例えばお酒を飲んでパーティーをしてみたり、”English"の格好で隣町に出かけてみたりといった

Non-Amishの生活を経験することができるんです。

 

で、このラムスプリンガを終えて、自分はアーミッシュとして留まり教会に属するのか(Baptizeするのか)

それともアーミッシュのコミュニティを去るのかを選ぶことができるらしく

実際90%近くの人はアーミッシュに留まることを選ぶんだって!

(コミュニティを去る=家族とも疎遠になる)

 

ということは、たとえ不便だとしてもアーミッシュの生活がいいってことなのか

それとも知らない外の世界に飛び出す恐怖が打ち勝ってしまうのか。


例えば海外に行きたい!とか、学者になって研究したい!とかいう思いを持つ子はどうなるんだろう?とか考えたり。

 

もしアーミッシュに会って話す機会があったらいろいろ質問しちゃいそう。

 

なんで不便で厳しい規律を守って生活ができるのかな、と疑問に思う人もいると思うんだけど

どうやらアーミッシュの教えでは、アーミッシュ以外は天国に行けないらしく

だからみんなアーミッシュのライフスタイルを守り続けているという話も聞きました。

なるほど。

 

 

生活の面、信仰の面、どこを切り取ってもこれまで触れたことのない新しい世界が新鮮で

世界にはさまざまな価値観があって、それぞれのライフスタイルがあることを改めて知ることができたし

世の中には知らないことがたくさんあるし、知ることって大事だなと考えるきっかけになりました。

 

ほんの少しの興味で行ったランカスターだったけど

帰るころにはその倍以上の興味をもって帰ってくることになって夫婦そろって検索魔になる日々。笑

 

 

観光スポットの紹介もしたかったけどなんだか長くなってしまったのでその②にまとめます!

 

ではまた!

 

 

*勝手にアーミッシュを写真撮影をすることは失礼にあたるため、今回の滞在でアーミッシュの写真は撮影していません。

写真の一部はフリー素材のサイトからお借りしました。